慰謝料の計算基準

慰謝料の計算基準については、どのように計算しているのか、明確でなく、今ひとつわからない部分があると思います。
慰謝料の計算の際に、下記基準などを総合考慮した上で、具体的な慰謝料額が決まります。ご参考下さい。

  • 婚姻関係が破綻した経緯
  • 離婚に至った動機
  • 有責行為の態様、期間、回数、程度
  • 有責行為の継続性
  • ケガ・障害・後遺症の程度
  • 不貞行為に至った経緯
  • 精神的な苦痛の程度
  • 関係修復への努力
  • 婚姻生活に対する誠実性
  • 年収・資産の状況
  • 社会的地位
  • 再婚の可能性
  • 生活能力の程度
  • 生活費の不払い・離婚後の態様
  • 婚姻の際の経済的負担
  • 年齢・性別・職業
  • 別居期間
  • 別居にいたった経緯

慰謝料を計算したが、旦那の資産・収入がないということにならないよう、夫の資産をよく計算しておく事も肝要です。

 

慰謝料・財産分与の取り決めをした支払額の平均を計算したものを少し古いですが参考として最高裁判所の司法統計年報、家事編昭和63年のデータを記載していますのでご覧下さい。

【家庭裁判所の統計資料にあらわれた支払額の平均】

婚姻期間 支払額
1年未満 127万円
1~5年 192万円
5~10年 319万円
10~15年 454万円
15~20年 561万円
20年以上 694万円

(参考文献:最高裁判所 司法統計年報家事編昭和63年)

慰謝料と有責性の程度

離婚慰謝料は婚姻期間と有責性の程度を掛け合わせて計算をした千葉県弁護士会の慰謝料算定の実務が一つの目安になると思いますので、下記ご参照下さい。

【千葉県弁護士会編の慰謝料算定の実務にあらわれた支払額の平均】

単位:万円 1年未満(婚姻期間) 1~3年(婚姻期間) 3~10年(婚姻期間) 10~20年(婚姻期間) 20年以上(婚姻期間)
責任軽度 100 200 300 400 500
責任中度 200 300 500 600 800
責任重度 300 500 700 900 1000

(参考文献:慰謝料算定の実務 千葉県弁護士会編)

 

家庭裁判所で決定した慰謝料・財産分与の案件数の分布も慰謝料・財産分与の基準の目安になると思います。以下も参考になさってください。

【家庭裁判所の統計資料にあらわれた財産分与の分布】

婚姻期間 総数 100万円以下 200万円以下 400万円以下 600万円以下 1000万円以下 2000万円以下 2000万円以上 算定不能
総数 7638 2024 962 1002 623 782 553 215 1477
6月未満 23 15 4 1 3
6月以上 87 56 15 5 3 2 6
1年以上 265 166 51 18 7 1 22
2年以上 360 207 65 51 4 5 2 26
3年以上 303 152 62 30 14 12 3 2 28
4年以上 277 126 44 43 14 14 8 1 27
5年以上 326 126 51 40 20 16 13 5 55
6年以上 290 105 40 36 20 24 9 4 52
7年以上 297 100 56 44 24 15 12 4 42
8年以上 273 104 41 35 22 13 7 4 47
9年以上 322 93 44 52 28 18 20 3 64
10年以上 318 77 34 39 38 35 23 7 65
11年以上 300 73 45 44 33 31 19 4 51
12年以上 287 70 35 44 22 32 11 6 67
13年以上 241 56 38 31 18 18 15 3 62
14年以上 304 74 37 42 40 34 15 6 56
15年以上 243 49 24 37 18 32 17 5 61
16年以上 234 53 37 29 18 25 14 8 50
17年以上 235 52 25 32 24 25 10 8 59
18年以上 220 42 24 32 22 30 12 8 50
19年以上 168 30 14 25 18 23 14 4 40
20年以上 785 96 67 116 73 110 91 34 198
25年以上 1480 102 109 177 142 267 238 99 346

(参考文献:家庭裁判所 司法統計家事編平成23年)

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