離婚に際して、さまざまな名義変更手続きをする必要が生じます。
手当などによっては、変更が済んでいなければ受給できないものも中にはあるので、早めに名義変更手続きを行わなければなりません。
- 不動産の名義変更
財産分与で不動産の名義変更をするためには、法務局に登記申請しなければなりません。
不動産を財産分与で譲受した場合は離婚しただけでは第三者に権利を主張することができません。
ですので、そのままでは不動産の売買、抵当権などの担保設定もできません。
夫婦間の口約束だけで、名義変更登記をしていなければご自身の知らないうちに売却され第三者の登記が入ると、財産分与でもらった配偶者は第三者に対抗することはできなくなります。
よって、第三者に対して不動産の権利を主張するには、登記による名義変更を必ず行ってください。
財産分与で不動産の名義変更は、登記原因証明情報(財産分与を定めた離婚協議書や離婚調停調書及び戸籍謄本)、財産分与をする側の権利証(登記済証)または登記識別情報、財産分与をする側の印鑑証明書、財産分与を受ける側の住民票、固定資産評価証明書が必要です。
また、名義を変える以前に注意しておくべきなのが、財産分与により税金がかかる場合がある事です。
結婚中に購入した不動産の財産分与は、基本的に不動産取得税は減免されますが、結婚中以外に購入した不動産の財産分与については、不動産取得税は減免されません。 - 銀行、郵便貯金の名義変更
銀行、郵便貯金の名義変更は、氏名変更届書、旧通帳、印鑑(印章変更を同時に行う場合は、新たな届印とする印鑑も必要)、本人確認書類(新氏名の記載のある公的書類)により、名義変更届をします。
同時に改印をする場合は、改印届書、旧通帳変更前の印鑑と新しい印鑑、本人確認書類が必要です。 - クレジットカードの名義変更
クレジットカードの名義変更は、名義変更届書、旧クレジットカード、本人確認書類(新氏名の記載のある公的書類)により、名義変更届をします。
クレジットカード会社はクレジットカードの変更受付デスクを設けている事が多いので問い合わせると、名義変更届書の送付請求ができます。 - 運転免許証の名義変更
運転免許証の名義変更は、運転免許証記載事項変更届(届出用紙は窓口にあります)、氏名変更のため本籍記載の住民票、他府県からの転居では、届出書に貼る写真(3cm×2.4cm)を1枚準備の上、所轄警察署で手続きをします。 - パスポートの名義変更
パスポートの名義変更は、一般旅券訂正申請書、戸籍抄本または戸籍謄本(6か月以内に発行)、本人確認書類(新氏名の記載のある公的書類)、旧パスポートにより、パスポート名義変更をします。
姓を変更したときにパスポートの訂正手続を行わないで、さらに転籍等を行なうと、最新の戸籍にパスポートに記載された姓が載っていないことがでてきます。
そのような場合は本人確認書類(新氏名の記載のある公的書類)で変更の事実が分かれば申請ができますが、パスポートと戸籍の同一性が確認できなければ、除籍謄本を提出することになります。 - 生命保険の保険金受取人の名義変更
返戻金のある生命保険(掛け捨てではない)の場合、離婚時(別居時)に解約したら受け取れる解約返戻金が財産分与の対象です。
離婚後も生命保険をかけ続けた場合は受取人の変更をしない限り、従来の受取人が保険金を受け取ることになるので、かけ続けるなら受取人の変更をしなければなりません。
生命保険の保険金受取人の名義変更は、名義変更請求書、保険証券、契約者の本人確認書類の写し、被保険者の本人確認書類の写しが必要です。 - 携帯電話の名義変更
携帯電話の名義変更は、本人確認書類(新氏名の記載のある公的書類)、金融機関の印鑑、預金通帳又はキャッシュカードを持って、お近くの携帯ショップで手続きをします。